ご相談・お問い合わせ

他には無い、大事なストーリー

2021.8.31  ブログ
iida

今日は定期管理の現場です。

施工前
施工後

元々は、年に一回の管理でしたが、ダンナさんが亡くなり、日ごろの庭仕事が出来なくなり、お庭全体の管理を任されたので、回数を増やして、落ち葉や雑草取りや、雨どいのゴミ拾いなど、全般の管理をさせて頂いております。

当初は、寂しさもあって、イイダのには、気丈にふるまっていましたが、喪失感があり、心配でした。

施工前
施工後

管理に行った時に、ローズマリーの刈込をするのに、車を少し移動して貰おうとしたら、エンジンが掛からずに、バッテリーが上がっていて、全然使ってないと言っていたのを、思い出します。

今では、コロナでリモート勤務になった娘さんが、ほぼ毎日こちらの家で、リモートをしているので、お孫さんもいて、見るからに肌つやが良くなって、幸せそうにしています。

ダンナさんは、ドイツの人で、チェロ奏者でした、管理に行くと、よくピアノの音が聞こえて、演奏がお庭に響いていました。

施工前
施工後
施工後

お亡くなりになってからは、演奏が聞こえてこないので、心配してましたが、今では、お孫さんに教えているのか、よく聞こえてくるようになりました。

何か、イイダもうれしく、その演奏を聞きながら、ニンマリしながら、庭仕事をしました。

イイダは、娘さんと住めばいいのに、と何度も話したのですが、奥様は気丈に首を縦には、振ってはくれません。

何かきっかけがあって、このような光景を見れたのも、こんな現代の情勢ですが、悪い事ばかりでは、無いと心から思え、このお庭もまた、嬉しそうに見えます。

人には、歴史があり、ストーリーがあります。

そこに咲く一凛の花でさえ、重ねて見る、その人の歴史や、ストーリーがあるので、同じ花は世界に一つもないのです。

もちろん、生物学的にも、同じ花は存在しないのですが、お庭をパターンやスタイルで、仕分けする事は、とても野暮ったい事です。

だって、歴史があって、ストーリーがあるから、花壇のレンガの掛けた部分さえ、その人から見れば、大事な想い出かもしれません。

イイダは、その想い出をアルバムにしまう事もするし、新しいページを重ねる事もする、スタイルにこだわらない、造園家でありたいと思います。

いつもブログを読んで頂きありがとうございます。